「夏休み子ども陶芸教室」開催
肥前・有田 箸置きプロジェクトが毎年協力している「夏休み子ども陶芸教室」(有田町公民館・有田町教育委員会主催)が今年も開催されました。
有田町内の小学校4〜6年生を対象にした夏休みの体験イベントで、「有田焼にチャレンジしよう!」をコンセプトに、有田焼の箸置きを自分で作り、お箸や器の使い方からマナーや食文化を学びます。
全3回講座の1回目が2024年8月2日(金)、体験工房ろくろ座にて開催され、町内から集まった児童12人が型押し成形による箸置き作りを体験しました。
有田町の職員から有田焼の歴史や有田焼ができるまでなどの説明を受け、いよいよワークショップのスタートです。
用意された箸置きの石膏型は、ボール、ねこ、帽子、本の4種類。
今年も、北川美宣窯の北川朝行さん、伯父山窯の岩永真祐さんに指導いただきながら、型押しによる生地成形に取り組みました。
生地を型から外し、はみ出た部分(バリ)をとって、水拭き仕上げで整えたら、箸置きの生地づくりは終了です。
さすが有田焼産地の子供たちだけあり、特に戸惑う様子もなく熱心に取り組んでいましたが、終了後には
「押し型に、粘土をどのぐらい入れれば良いのか、ちょうど良い分量をはかるのが難しかった」
「水拭き仕上げをしたら、ネコの顔を描いた彫りが消えてしまった」 などの感想が聞かれ、ものづくりの難しさを感じたようです。
2回目の講座は、2024年8月16日(金)、体験工房ろくろ座にて開催。
1回目のワークショップで、自ら型押し成形を体験した子どもたちが、本焼成後の白磁の状態の箸置きに5色の絵の具で上絵付けを施していきます。
まず、上絵付けの基本的な説明をうけてから、4〜5人ずつのグループに分かれて作業を開始しましたが、なかなか手を動かせず、ゆっくり考えてから絵付を始める子もいれば、いきなり大胆に筆を取る子など、その様子はさまざま。
絵付けの指導をしてくださった伯父山窯・岩永真祐さんの実技を参考に、真似して描いてみるもののうまくいかない子もいて、有田焼の上絵付の難しさや職人の技術の高さを肌で感じていたようです。
それでも、各々が思い描く箸置きを完成させるため積極的に講師たちに相談し、竹串でかき落としをしたり、塗りつぶさない箇所を濡れたティッシュでふきとるなどの表現技法にもチャレンジしながら楽しい時間を過ごした子どもたち。
繊細な絵付けや個性的な色使いなど、思い思いに描いたオリジナル箸置きが、上絵焼成によってどのような仕上がりになるのか、最終回でお披露目される完成品を楽しみにしていました。
最終回となる3回目は、2024年8月21日(水)、有田町の生涯学習センターで開催されました。
午前中に、お箸や器の使い方など、マナーや食文化を学ぶ食育の授業をうけた子どもたち。午後からは有田町食生活改善推進連絡協議会のご協力のもと、佐賀のご当地グルメ「シシリアンライス」とわかめスープを作る調理実習を行いました。
お楽しみの実食では、1回目、2回目のワークショップで作成した自作の箸置きを使って配膳し、箸置きを使う意味や「この箸置きで食事がしたい」という愛着を感じてもらえたように思います。 小さな有田焼の箸置きが、食卓のあり方を共に考えるきっかけとなり、学校やご家庭で楽しい時間を過ごしていただけるよう、これからも肥前・有田 箸置きプロジェクトは、箸置き文化の普及に取り組んでまいります。